BANSHU-ORI

200年以上受け継がれる、
ものづくりへの愛おしさ「播州織」

緑豊かな山々と3つの清流が織りなすまち、兵庫県西脇市。
日本列島のほぼ中央に位置し、「播州織」と呼ばれる綿織物を地場産業とする、全国有数の織物産地です。

そもそもの始まりは、1700年代後半。
ひとりの宮大工が、京都西陣の織物技術を持ち帰ったことだと言われています。
以来200年以上、織物業に欠かせない水の恵みに支えられ、織物業が発展していきました。

播州織の特徴は、あらかじめ染め上げた糸で生地を織る「先染め織物」という製造方法。
布に織り上げてから染める「後染め」と異なり、重ねた糸の色から生まれる細やかな色柄や、様々な種類の糸がつくり出す変化に富んだ豊かな風合い、そして上質な肌心地が魅力です。

さらに、もう一つの特徴が、糸を染める「始まり」から風合いを生み出す「仕上げ」まで、それぞれの工程の職人たちが手掛ける分業制であることです。

一枚の生地が織上がるまでに、いくつも、いくつも経る様々な工程すべてが、職人たちの技とこだわりの積み重なり。
200年以上もの時の流れの中で、受け継がれ続けるものづくりへの愛おしさを技術に込め、プロフェッショナルたちが育み続けるもの。それが播州織なのです。