W-face Cotton

■1枚の生地に、2つの表情を楽しむ

W face(ダブルフェイス)とは、「二重織」とも呼ばれ、表と裏の2枚の生地を1枚に重ね合わせたように仕上がる織物です。
経(たて)糸には表に出る生地と裏に出る生地との2種を、緯(よこ)糸も表・裏それぞれの経糸と織り合わせる2種を用いて、表と裏を別組織に織り上げます。

表と裏で異なる糸を使うことができるため、素材の違う糸を選び、表と裏で生まれる風合いの違いをデザインに活かしたり、糸の色を変えて表と裏の色づかいが異なる生地を楽しんだりすることもできます。

そんなW faceの生地には、さらに「機能性」と「ファッション性」という2つの“表情”があります。



■機能性を着心地に、ファッション性をよそおいに

今回HaTaKaKeでは、コットン100%の糸を使用。表と裏で色の異なるW face cotton生地を織り上げました。この素材は、二重織構造の特徴を活かした新しいリラックス生地です。

表の生地と裏の生地の間に空気の層が生まれることで、ふくらみのある素材感に仕上がることに加え、染色や製織の工程で形が崩れた糸を丸く戻す加工を施し、ニットのようになめらかで、もっちりとした柔らかさを生み出しました。

冬は保温性にすぐれ暖かく、夏は汗をしっかり吸収。コットン100%ながら、ほどよく伸縮するナチュラルなストレッチ性も備え、快適な着心地をかなえます。

こうした機能性が生み出す着心地だけでなく、スタイリングを楽しめるファッション性も豊富です。中でも注目は、表と裏のバイカラー。裏側を見せるだけで異なるイメージが可能になる、リバーシブル風の配色をスタイリングのアクセントにすることができます。

一方、シワになりにくく美しい落ち感の素材からは、ラフなスタイルの中にもきちんとした雰囲気が感じられ、着こなすシーンも多様に。コーディネートの幅の広さも、ファッション素材としてのW faceのポイントです。


■ W face cottonを味わう3つ目の表情  

見た目にも伝わる抜群の風合い、製品に袖を通した瞬間に感じる心地よさなど、高い評価が集まる播州織。シンプルでベーシックに見える一枚の布も、その裏で支えているのは数多くの工程に携わる、職人たち。一人ひとりの技術と工夫、心意気といった“表情”から、播州織の生地は生まれ、育まれています。