Oraganic Cotton

■ストーリーは、糸から生まれる

風合いの良さで高評価を博す播州織。その背景にあるのは、職人たちの技術や、製織・加工など生産工程での工夫、そして素材である糸の存在です。

太さ、撚り、タテ糸とヨコ糸の組み合わせ、異素材づかいなど、目指す風合いをかなえてくれる糸を選ぶことから、播州織の生地づくりは始まっているのです。 

今シーズンのHaTaKaKeは、そんな「糸」にスポットを当て、その産地まで見えるものづくりについて考えてみたいという想いから、素材開発に取り組みました。 

島田製織では日頃のものづくりから、産地をはじめとする糸の生産背景について知ることを心掛けています。さらに、知り得た情報を可能な限り発信してゆくことも、ものづくりを続けてゆく上で、テキスタイルメーカーとしての責任の一つであると感じています。

 

今季は、近年広がりを見せるSDGsの考え方にのっとり、関心が高まっているオーガニックコットンを採用しました。 

通常のコットンに比べ、オーガニックコットンの生産規模はまだまだ小さく、生産数量も限られているのが実情です。糸の番手(太さ)のバリエーションも少ないため、全ての製品をオーガニックコットンに置き換えて作るには、まだ解決すべき問題がたくさんあります。

そんな多くの課題を抱えているにもかかわらず、なぜオーガニックコットンなのか。

その理由は、産地証明により生産背景が明らかな糸だからです。

 

■オーガニックコットンとは

オーガニック農産物の生産には、厳しい基準があります。その基準に従って3年以上オーガニック生産を実践し実績を積むことで、ようやく認証機関に認められる農地となります。さらに認証後も、毎年、専門の検査員が農場を訪れ、基準どおりの管理を継続していることを確認。そんな厳格に管理された農地で育てられるコットンが、オーガニックコットンです。

 

原料繊維がオーガニックであるだけではなく、健康や環境への化学薬品による負荷の抑制、労働の安全確保や児童労働の禁止といった社会的規範の順守などに加え、オーガニック原料のトレサビリティの確保が求められるため、いつ、どこで、誰が生産し、どうやって流通した綿を使っているのかがわかるようになっているのです。 

今回、HaTaKaKeが使用するオーガニックコットン

  • 綿の産地…インド   ●染色~製織…日本(西脇)

オーガニックコットンをはじめ、それぞれにストーリーを持つ糸。

そんな糸を染めてから織る「先染め織物」播州織では、もうひとつの大切な役割を糸が果たしています。

 

■糸で色をつくる

先染織物ならではの、糸が果たす役割。それが「糸で色をつくる」ことです。

タテ糸とヨコ糸に異なる色を使った播州織の生地は、見る角度によって色が変化します。糸と糸が織り重なることで生まれる色の重なりは「織色」と呼ばれ、趣深い深みのある色合いを醸し出すことができるのです。

今回のHaTaKaKeは、糸による色づくりを大切にしました。

タテ糸にチャコール、ヨコ糸にネイビーやブラウンを使用。異なる色の重なりが奥行きを感じさせ、生地に深みを与えます。光の受け方や、身につけた時の動きで見え方が変わる色の多彩さをお楽しみください。